映画『逃げきれた夢』公式サイト
第76回カンヌ国際映画祭ACID部門正式出品/2019フィルメックス新人監督賞 グランプリ受賞作品
2019フィルメックス新人監督賞 グランプリ受賞作品

映画『逃げきれた夢』公式サイト

6月9日(金)新宿武蔵野館、
シアター・イメージフォーラムほか
全国ロードショー

光石研
吉本実憂 工藤遥 杏花 岡本麗 光石禎弘
坂井真紀 松重豊

監督・脚本:二ノ宮隆太郎

製作総指揮:木下直哉 プロデューサー:國實瑞惠 関友彦 鈴木徳至 谷川由希子
撮影:四宮秀俊 照明:高井大樹 録音:古谷正志 美術:福島奈央花 装飾:遠藤善人
衣装:宮本まさ江 ヘアメイク:吉村英里 編集:長瀬万里 音楽:曽我部恵一 助監督:平波亘 制作担当:飯塚香織
企画:鈍牛倶楽部 製作:木下グループ 配給:キノフィルムズキノフィルムズ 制作プロダクション:コギトワークス
©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ映倫G

12月6日(水)Blu-ray&DVD Release
ずっと恵まれとうのに……なんなんやろうな
夫婦にはボディータッチが必要っち書いとった、ネットに
あのなぁ……学校辞めるわ、俺
……俺病気なんよ忘れるんよ
いやー参ったどうしようかね、これから
40年近くも働いたんやけ。ご苦労様ぐらい言えんか?
本当、人間期待したらいけんって、なんにでも。私、思うんですよ
自分勝手?……誰だってそうやろ……そんなもんやろ……お前だってそうやろ
ただ金を家に入れとっただけの人間やったのに、ご苦労様っち言えとか。求めたらいけんよな

人生のターニングポイントを迎えた中年男が、
テキトーにしていた人間関係を見つめ直す
可笑しくも切ない物語

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予告篇

イントロダクション

「2019フィルメックス新人監督賞」に輝く
気鋭の才能が光石研主演で贈る
人生のターニングポイントを迎えた男が
新たな一歩を踏み出すまでの
日々を描いた希望の物語

監督・脚本は、二ノ宮隆太郎。主演の光石研を深くリスペクトし、脚本をアテ書きするだけでなく、光石本人の人生を取材し、そのエッセンスを物語に注入した。二ノ宮は、2012年に初の長編映画監督作品『魅力の人間』で、「第34回ぴあフィルムフェスティバル・PFFアワード2012」で準グランプリを受賞すると共に、バンクーバー、ロッテルダムなどの国際映画祭に出品。さらに2017年には、監督・主演を務めた『枝葉のこと』が、「第70回ロカルノ国際映画祭・新鋭監督コンペティション部門」に選出される。徹底的にリアリティを追求し、生きることの真実に迫ろうとする作品が高く評価され、今、最も世界から新作を熱望される大注目の若き才能だ。本作のシナリオで「2019フィルメックス新人監督賞」グランプリを受賞、映像化が実現。ついに商業デビューを飾る。撮影は、『ドライブ・マイ・カー』の撮影監督を務めた四宮秀俊。二ノ宮監督の前2作に続くタッグとなり、新たな挑戦を支えた。

周平を演じるのが、映画デビューから45年、映画、TVドラマ、舞台、CMと縦横無尽に活躍し、日本のエンターテインメントで欠かせない重要な存在として高く評価される名優、光石研。『あぜ道のダンディ』以来、12年ぶりの映画単独主演作となる。生徒想いの教頭というキャラクターをまとっているが、周平はもっとレイヤーの多い人間味あふれる男だ。カッコ悪くてずるくて、自分勝手。それでも、どこか憎めない愛らしさがにじみ出る周平を、光石ならではの情感と品性で演じきった。共演には、周平の元教え子の平賀南に吉本実憂が扮し、光石と対峙するシーンを緊張感と切なさが交錯する忘れ得ぬ場面へと昇華させた。周平の娘の由真には工藤遥。父と娘のジェネレーションギャップに、温かなユーモアをもたらした。さらに、周平の妻に坂井真紀、学生時代の同級生に松重豊と、味わい深い実力派が顔をそろえた。

誰にでも必ず訪れる、人生のターニングポイント。そのきっかけは何であれ、人は目の前の一歩から「変える」ことができる。立ち止まり、見つめ直し、向き合い、じたばた生きる周平の可笑しくも切ない姿を通して、ターニングポイントに立つすべての人にエールを贈る希望の物語。

いやー参ったどうしようかね、これから

ストーリー

北九州で定時制高校の教頭を務める末永周平(光石研)。ある日、元教え子の平賀南(吉本実憂)が働く定食屋で、周平はお会計を「忘れて」しまう。記憶が薄れていく症状に見舞われ、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。待てよ、「これまで」って、そんなに素晴らしい日々だったか? 妻の彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、一人娘の由真(工藤遥)は、父親よりスマホの方が楽しそうだ。旧友の石田啓司(松重豊)との時間も、ちっとも大切にしていない。新たな「これから」に踏み出すため、「これまで」の人間関係を見つめ直そうとする周平だが──。

自分勝手?……誰だってそうやろ……そんなもんやろ……お前だってそうやろ

キャスト

コメント

(50音順)

この主人公はなにをしているのだろう? 自分は今何を見ているのだろう? と思いながら食い入るように緊張感のただよう画面を見つめていた。
見ているうちに、周囲の誰からも信用も尊敬もされていなさそうなこの主人公の男をどこかで見たことのあるような気がしてきた。
「あ、これ俺だ……」
だがこの映画の主人公はそれまでの人生を小さくとも覆そうと映画の中で描かれている数日間を懸命に生きる。
ラストシーンのあとの主人公の翌朝の目覚めは、いつもより少しだけ良かったのではないだろうか。
そんな目覚めを得るために、俺もちゃんと生きようと思った。

足立紳さん脚本家・映画監督

二ノ宮隆太郎監督の映画を見るといつも悔しい気持ちになる。こんな映画をつくってみたいといつも思うからだ。この映画を必要としている人にこの映画が届きますように。人間のささいな変化を自分もこんな風に描けるようになりたい。

今泉力哉さん映画監督

濱口竜介監督や三宅唱監督の登場以降、日本映画に新時代が到来している。多くの良識ある観客が抱いてきたであろうそんな予感がまさに現実となりつつある今、この『逃げきれた夢』を見逃す手はない。二ノ宮隆太郎監督もまた新時代を担っていく作家の一人であることを、この映画は慎み深く、しかし鮮烈に告げている。

神谷直希さん東京フィルメックス プログラム・ディレクター

描かれている世界は小さいけれど大きなものが伝わってくる。
言葉にならない感動というものがあるとしたらこの映画に違いない。

瀬々敬久さん映画監督

光石さん…カンヌって…凄えっす…
ついに“世界のケンミツイシ”になったんすね…泣けてくるっす…
『逃げきれた夢』まるで光石研の生き様を観てるようで…堪らねぇっす…

滝藤賢一さん俳優

共演した際、光石さんの家に遊びに行きたいって言ったら、駄目! 壁に落書きとかするでしょと拒否されました。笑いながらも、ちょっぴり悲しかった僕。以後はそぉんな関係を修正するために僕の役者道はあります。
俳優にとって夢のようなアテ書き的映画。さり気なく己を晒しつつ名優への道を歩む光の石に近づけるよう、精進したいと思います!

田口トモロヲさん俳優など

光石研さんから目が離せない。
表情、仕草、歩き方、言葉、そのどれもが魅力的だ。
それは一人の俳優にとどまらず映画全体を包み込んでいる。
共演者、ストーリー、カメラワーク、編集、空気感、そして北九州の町。
光石さんの人生に流れる血が、溢れんばかりに染み渡った映画だ。

津田寛治さん俳優

昭和な生き方を半世紀やってて令和という時代に入り、世の生き様と抗ってきた俺は暗中模索中だった。
が! 本作を拝見して、道が開けてきたわけなんだよ、、、これでいいんだ! と。
寅さんじゃないけど世の中、女性はしっかりしてて、男性は情けないぐらいが微笑ましいかもね。
我々世代の代表者、光石研さん最高!!

寺島進さん俳優

生きていて、これまでの自分を回顧することは何度もあるだろう。美しかった思い出、蓋をしたい辛かった思い出。その全てを肯定でも否定でもなく、人間臭く対峙する主人公・周平の姿に、スクリーンを通して僕たちは思いを馳せる。
これまでと、そしてこれからの人生を。
二ノ宮くん! あんた凄いよ!

藤井道人さん映画監督

こんな背中も、こんな沈黙も、これまで自分は見ようとも聞こうともしていなかったらしく、ずっとスリリングでした。その辺の路上なのに、いやその辺の路上だからこそ、ただの立ち話がどんどん切実な時間になるんだろうか。ともかく、光石研さんをもっとみていたい、終わらないでくれ! と思いました。

三宅唱さん映画監督

二ノ宮隆太郎の映画を観ていると、いかに他の映画が余計なモノで埋め尽くされているのかを思い知らされる。無駄が無いせいで、この映画は異常に静かだ。だけど、俳優たちを見つめる監督の熱量が凄過ぎて、静かだけど、常にざわざわしている。だから全く退屈しない。物語のために俳優が動くのではなく、役者が動き出して物語が生まれる。そんな映画として当たり前のことを思い出させてくれました。二ノ宮ありがとう。あと光石さん最高でした。

山下敦弘さん映画監督

これまでの分岐点で選択を間違えた後悔は沢山あるけれど、この映画があれば、次に来るかもしれないターニングポイントは怖くない気がした。頑張れでも頑張るなでもない、ただそこにいて寄り添ってくれる映画。そいにしても、しゃあしくて情けない九州弁の光石さんは愛おしくてたまらんとよ。

吉田羊さん俳優

テキトーにしていた
「これまで」を見つめ直す──
「これから」のために